日々の業務を減らせれば、社員の負担を削減でき、本来の業務をスムーズに遂行できます。近年、業務を外注して業務を減らす方法はたくさんあります。本記事では、中でも人気の高い給与計算代行アウトソーシングについて解説しましょう。
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給与計算代行アウトソーシングの利用率は高いのか?
アソウ・アカウンティングサービスの調査によると、250社中38%の企業が給与計算代行を利用していることが明らかになりました。
とくに従業員数別で見ると、従業員50名以下の企業では50%が給与計算を外注しており、50名を超える企業では30%前後の外注を利用していることが分かりました。
給与計算のアウトソーシングは近年、多くの企業で導入されており、特に専任の給与計算部門を設けるのが難しい企業にとって、年間の業務効率化を図るために外注するケースが増えています。
給与計算代行アウトソーシングの種類
給与計算代行アウトソーシングとは、給与計算や年末調整などの業務を外部に委託できるサービスのことです。給与計算は、人員の確保が必要となる業務の増加や法改正による作業内容の変更など、企業にとって大きな負担となることが多いです。
このサービスを利用することで、社内の業務負担を軽減することができます。給与計算代行アウトソーシングには複数の種類があり、委託する業務内容や使い勝手に応じて、最適なサービスを選ぶことが重要です。
大企業向け
大企業向けの給与計算代行アウトソーシングは、大規模な作業ボリュームに対応できるサービスです。従業員数が数百人を超える企業では、給与計算以外にも入退社手続きの件数が増えたり、部署ごとに異なる給与形態が存在したりします。こうした多様な給与形態や大量の業務に対応できるのが、大企業向けのアウトソーシングサービスです。
中小企業向け
中小企業向けの給与計算代行サービスは、従業員500人未満の企業を対象としています。中小企業では、大企業ほどの作業ボリュームはないものの、給与計算の専門部署を設けることが難しい場合が多いです。このような企業にとって、中小企業向けの給与代行アウトソーシングは、システム導入や人員確保の課題を解決する有効な手段となります。
オーダーメイド型
会社の規模に関わらず利用できるオーダーメイド型のサービスでは、必要な業務だけを柔軟に代行してもらうことが可能です。また、企業の成長に応じてプランを変更できる製品もあり、規模拡大を目指す企業にとっても最適です。規模に応じた柔軟な対応を希望する場合には、オーダーメイド型の給与計算代行アウトソーシングが適しています。
給与計算代行アウトソーシングのメリット5つ
給与計算代行アウトソーシングの最大のメリットは、業務負担の軽減です。必要な業務を外部に委託することで、従業員や会社全体の負担を大幅に減らすことができます。以下に、給与計算代行アウトソーシングの具体的なメリットを解説します。
コスト削減
法改正やシステム変更にともなうソフトウェアの更新は、費用がかかるだけでなく、専門知識も必要となる場合があります。給与計算を外注することで、こうした金銭的なコストだけでなく、情報収集などにかかる人員コストも削減できる点が大きなメリットです。
法令改正などの対応のスムーズさ
給与計算代行を専門としていない企業では、給与計算に関する知識を一から学び、法改正が行われるたびに新たな対応策を考える必要があります。しかし、給与計算のプロであるアウトソーシング業者に依頼することで、情報収集にかかる人員や時間を他の業務に充てることができ、より効率的な業務運営が可能になります。
本事業の人員を確保できる
一定数以上の従業員がいる企業では、給与計算や勤怠管理、入退社の手続きなど、多くの業務が発生します。これらの業務が増えるたびに、人員を増やしたり、対応時間を確保したりするのは大変です。しかし、給与計算代行アウトソーシングを利用することで、これらの業務にかかる時間を短縮し、本業に専念できる人員を確保できます。これにより、利益を生む業務に集中することが可能になります。
勤怠の徹底ができる
給与計算代行を依頼することで、従業員の勤務時間管理が徹底されます。外部に委託することで、従業員の勤務時間が明確に把握できるため、無駄な作業を見つけやすくなり、結果として業務の効率化につながります。
劇的な業務増加を回避できる
給与計算は、特に年末などの繁忙期に業務量が大幅に増えることがありますが、給与計算代行アウトソーシングを利用することで、年末調整などの特別な業務を社内で対応する必要がなくなります。業務量が急増しない点は、アウトソーシングを利用する大きなメリットといえます。
給与計算代行アウトソーシングのデメリット
人員の確保や業務の増加を避けられるアウトソーシングですが、いくつかのデメリットも存在します。まず、給与計算代行を利用することで、自社内で給与計算業務を担当する人材を育成できない点が挙げられます。将来的に自社で給与計算を行いたいと考えている場合、アウトソーシングのメリットは薄れてしまうかもしれません。
さらに、アウトソーシングを利用しても、すべての給与計算業務を完全に任せきることはできません。業務の一部は依然として社内で対応する必要があり、場合によっては業務が前倒しとなり、予想外に忙しい時期が生じる可能性もあります。
給与計算代行アウトソーシングの費用は?
給与計算代行を利用する際の費用は、従業員50名以下の企業であれば、4万円から20万円程度が目安です。単純に給与計算のみを依頼する場合は、費用を4万円から6万円ほどに抑えることが可能です。
さらに、年末調整などの追加業務を依頼する場合は、10万円から20万円以上の費用がかかることもあります。依頼する業務の内容や従業員の規模、選ぶアウトソーシング会社によって費用が異なるため、事前にしっかり確認することが重要です。
給与計算代行アウトソーシングを選ぶときのポイント
給与計算代行を依頼する際は、料金だけでなく、安全性、スケジュール、対応範囲などを確認することが重要です。事前に必要なポイントをしっかりチェックすることで、安心して給与計算を外注できます。
安全性
アウトソーシングを利用する際には、従業員の個人情報を含む企業情報を外部に提供することになります。そのため、情報管理の安全性には特に注意が必要です。
具体的には、プライバシーマークやISMS(情報セキュリティーマネジメントシステム)の認証を取得している企業を選ぶとよいでしょう。これらの認証がない場合でも必ずしも安全性が低いとは限りませんが、個人情報を取り扱う以上、セキュリティ対策には細心の注意を払うべきです。
スケジュール
給与計算を外注する際には、給与計算に必要な勤務時間などの情報を、あらかじめ提出する必要があります。外注先の企業によって、提出期限が異なるため、事前にスケジュールを確認しておくことが大切です。外注を始めた後に慌てることがないよう、しっかりとスケジュールを把握しておきましょう。
対象範囲の広さ
給与計算代行アウトソーシングでは、給与計算に加えて、年末調整などの関連業務も依頼できる場合があります。まず、社内でどの業務を外注したいかを明確にし、その要件に合ったアウトソーシングサービスを選ぶことが重要です。
ただし、対応範囲が広いほど外注費用が増える可能性があります。どの業務を外注するか、そしてそれに見合う費用かどうかを慎重に検討することが必要です。
給与計算代行アウトソーシングを依頼するタイミング
給与計算を外注する適切なタイミングは、従業員数が10人を超えた時点です。従業員数が増えると、それにともなって給与計算に関する業務も増加します。給与計算業務が負担に感じるようになった場合には、給与計算代行アウトソーシングの利用を検討するのがよいでしょう。
また、給与計算には労務や税務に関するリスクがともないます。外注することで、これらのリスクを軽減し、よりスムーズに業務を進めることができます。
まとめ
給与計算の代行は、業務の効率化に大いに役立ちます。とくに年末などの忙しい時期において、給与計算や年末調整を外注できることは大きなメリットです。給与計算代行アウトソーシングを利用する際には、料金だけでなく、安全性やスケジュールも充分に確認することが重要です。