子供・子育て支援金で給与・賞与計算はどう変わる?

公開日:2026/03/23
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令和8年(2026年)4月より、少子化対策の財源を確保するための「子ども・子育て支援金制度」がスタートします。この新制度により、企業の人事・労務担当者は給与や賞与の計算方法の見直しが迫られています。

社会保険料に上乗せされる形で徴収が始まるため、計算ミスやシステム設定の遅れを防ぐ対策が欠かせません。本記事では、制度の基本的な仕組みから具体的な計算手順、実務上で考慮すべき点までを分かりやすく解説します。

子ども・子育て支援金制度の仕組みと開始時期

2026年4月から導入される子ども・子育て支援金は、全国民で子育て世代を支えることを目的とした新しい仕組みです。ここでは、制度の根本的な概要と、いつから給与天引きがスタートするのかについて解説します。

「子ども・子育て支援金」とはどのような制度か

子ども・子育て支援金は、児童手当の拡充や育児休業給付の充実など、少子化対策を推進するための財源として創設された制度です。この制度は、少子高齢化が急速に進むなか、社会全体で子育て世帯を支える基盤を構築することがきっかけで生まれました。

具体的には、公的医療保険のネットワークを活用し、健康保険料に上乗せする形で企業と従業員から広く資金を徴収します。

これまで企業のみが負担していた「子ども・子育て拠出金」とは異なり、労働者個人にも負担が発生する点が大きな特徴です。したがって、企業は健康保険に加入するすべての従業員を対象として、適切な徴収手続きを進める責任があります。

いつから徴収が開始されるのか

子ども・子育て支援金の徴収は、2026年(令和8年)4月分の健康保険料から開始されます。政府が定めた「こども未来戦略」に基づき、令和8年度から令和10年度にかけて段階的に負担率を引き上げながら制度を定着させていく予定です。

実務上の取り扱いとしては、社会保険料の「翌月控除」を採用している企業が多いため、大半のケースでは2026年5月に支給される給与から天引きがスタートします。

一方、当月控除を採用している企業の場合は、4月支給分の給与から直ちに控除を反映させなければなりません。自社がどのタイミングで社会保険料を控除しているかを確認し、期日に間に合うようシステムの設定を見直すことが成功の秘訣です。

給与・賞与計算における具体的な変更点と計算方法

新しい支援金制度が始まると、毎月の給与だけでなく賞与からも一定額を控除する処理が加わります。ここでは、具体的な保険料率や標準報酬月額を用いた正しい計算手順について、実務の視点から詳しく説明します。

毎月の給与からいくら引かれるのか(計算例)

毎月の給与から控除される子ども・子育て支援金の額は、「標準報酬月額×支援金率」によって算出され、労使で半分ずつ負担します。2026年度の支援金率は全国一律で「0.23%」と設定されており、個人負担分はその半分の「0.115%」となります。

例えば、標準報酬月額が30万円の従業員であれば、全体の支援金額は月額690円となり、給与から天引きされる本人負担額は月額345円です。

この支援金率は今後段階的に引き上げられる予定であるため、法改正の動向を定期的に確認し、正確な計算ロジックを維持することが欠かせません。

賞与(ボーナス)からの徴収について

子ども・子育て支援金は、毎月の給与だけでなく賞与(ボーナス)も徴収の対象です。これは、社会保険制度の基本原則に則り、一時的な収入である賞与についても、標準賞与額をベースに負担を求めるルールが適用されるためです。

賞与支給時には、対象となる賞与額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に対し、月例給与と同じ支援金率(2026年度は0.23%)を掛け合わせて全体の金額を算出します。

そのうえで、労使折半により算出された本人負担分を賞与から直接控除することになります。毎月の給与計算だけでなく、賞与計算システムにおいても支援金の控除枠を正しく設定することが実務上の注目すべきポイントです。

標準報酬月額と標準賞与額を用いた具体的な計算手順

給与および賞与の計算手順を確立するためには、社会保険の基礎となる「標準報酬月額」と「標準賞与額」を正確に把握して適用する必要があります。

具体的な手順として、まずは定時決定(算定基礎届)や随時改定(月額変更届)によって決定された最新の標準報酬月額を確認しましょう。

次に、その金額に個人負担分の支援金率(2026年度は0.115%)を乗じ、端数が発生した場合は「50銭以下切り捨て、51銭以上切り上げ」のルールに従って処理を進めます。

このような一連の計算手順をマニュアル化し、担当者間で認識を統一しておくことが、ミスを防ぐための効果的なアプローチです

実務担当者が優先すべき対応と注意点

制度開始に向けて、企業の人事・労務担当者は事前の準備を計画的に進める必要があります。システム改修から従業員への周知、特定の状況下にある労働者への対応まで、確実に押さえておくべきポイントを整理しました。

給与計算システムの改修と設定変更

実務担当者が最も優先すべき課題は、給与計算システムにおける「子ども・子育て支援金」の控除項目追加と料率の設定です。手作業での計算はミスを誘発しやすく、数百人規模の従業員データを扱う企業ではシステムによる自動化が欠かせません。

クラウド型の給与計算ソフトを利用している場合、提供ベンダー側でアップデートが実施されるケースが一般的ですが、自社で料率マスタに「0.23%」という数値を手動入力しなければならないシステムも存在します。

また、独自の社内システムを運用している企業は、計算ロジックや給与明細書のレイアウトを改修するプロジェクトを早期に立ち上げる必要があるでしょう。

給与支給日にトラブルを発生させないためにも、事前にテスト環境でシミュレーションを実行し、正確に控除されるかの確認が必要です。

育児休業中の従業員の取り扱い

産前産後休業や育児休業を取得している従業員については、子ども・子育て支援金の徴収が免除されます。これは、休業中は給与が支給されないケースが多く、労働者の経済的負担を軽減するという社会保険制度全体の保護措置が適用されるからです。

実務上の手続きとして、年金事務所や健康保険組合へ「産前産後休業取得者申出書」や「育児休業等取得者申出書」を提出していれば、健康保険料の免除と同時に支援金の免除も自動的に反映されます。

復職した際にも、速やかに通常徴収へ切り替える設定を忘れないよう注意を払わなければなりません。休業者のリストを常に最新の状態に保ち、免除期間の開始と終了のタイミングを正確に管理することが、給与計算における考慮すべき点と言えるでしょう。

従業員への事前周知と理解促進の進め方

制度が開始される前に、従業員に対して子ども・子育て支援金の目的と給与天引きの仕組みを丁寧に説明しておく必要があります。これは、事前の説明がないまま手取り額が減少すると、従業員の不信感を招き、人事部門への問い合わせが殺到するおそれがあるからです。

具体的な取り組みとして、2026年3月頃までに社内ポータルサイトや全体メールを通じて、「なぜ徴収されるのか」「いつの給与から始まるのか」「自分の負担額はいくらになるのか」を明記した案内状を配信することが効果的です。

また、「独身者も対象になるのか」といったよくある質問を添えることで、疑問を先回りして解消できます。従業員が制度の趣旨を正しく理解し、納得して負担を受け入れられる環境を整備することが、労務管理を円滑に進めるための核心と言えます。

まとめ

2026年4月からの「子ども・子育て支援金」制度の導入に向けて、企業は給与や賞与計算の正確な対応体制を構築することが欠かせません。

具体的には、最新の支援金率を用いた算出テストの実施や、育児休業取得者に対する免除設定の更新、さらには手取り額の変動に関する従業員への事前説明といった準備が必要です。

法改正の動向を常に把握し、自社の運用に適合した対策を計画的に実行することで、給与支給時のトラブルを未然に防ぎ、従業員が安心できる円滑な労務管理を実現しましょう。

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