雇用保険料の計算方法とは?雇用保険の対象者と計算の注意点をかんたんに解説!

公開日:2024/10/11 最終更新日:2026/02/12
計算方法

雇用保険は、働く人々が安心して仕事に取り組めるように、失業した際に生活を支えるための保険制度です。労働者の生活を守る重要な役割を果たす雇用保険ですが、雇用側は対象者や保険料の計算方法を理解しておくことが大切です。

今回は、雇用保険の基本的な仕組みや対象者、そして保険料の計算方法とその注意点について、わかりやすく解説していきます。

雇用保険とは?その対象者

雇用保険は、働く人が失業した場合や、育児・介護休業を取得する場合などに、生活費の一部を補助するための制度です。この制度により、労働者が職を失っても安心して生活できる環境が整えられています。

失業手当や育児休業給付など、さまざまな給付が含まれており、働く人の生活を支えるために重要な役割を果たしています。

まず、雇用保険の対象となる労働者について説明しましょう。雇用保険の対象となるのは、基本的に一定の条件を満たすすべての労働者です。具体的には、以下のような条件があります。

「週20時間以上働いていること」「31日以上雇用される見込みがあること」「パートやアルバイトも対象(一定の条件を満たす場合)」の条件に当てはまる場合は、雇用保険の対象内です

このように、パートやアルバイトであっても、週20時間以上働いており、31日以上の雇用が見込まれる場合は、雇用保険に加入する義務があります。ただし、学生や日雇い労働者、短期契約の労働者など、一部の例外もあります。

また、65歳以上の高齢者や役員など、特定の職種や年齢層については、雇用保険に加入する義務がない場合がありますが、これについても条件によっては対象となるケースもあります。そのため、個々の雇用形態や状況に応じて、加入の要否を確認することが重要です。

雇用保険料の対象となる賃金と対象とならない賃金

雇用保険料の計算にあたっては、どの賃金が対象となるのかを正しく理解することが重要です。ここでは、雇用保険料の対象となる賃金と対象外の賃金について解説します。

対象となる賃金

雇用保険料の対象となる賃金は、毎月の給与や賞与額などが挙げられます。また、算定中に支払いが確定した場合も、雇用保険料の対象として参入しなければいけません。

そのほか、以下の賃金も対象となります。

1つ目は、通勤手当・定期券・回数券です。いわゆる通勤にかかる現物支給分は対象として適用され、通勤手当は非課税分を含みます。

2つ目は、超過勤務手当・深夜手当・宿直手当・日直手当です。「残業手当」というとわかりやすいかもしれません。

3つ目は、家族・子ども・扶養など、家族に関する手当です。配偶者や子どもがいる場合に適用されます。

4つ目は、技能手当・教育手当・特殊作業手当です。業務に活用できる技能や技術、資格を有している場合や子どもが学校に通う際の経済的負担を軽減するために適用される手当になります。

5つ目は、住宅手当・地域手当です。物価の高い地域に勤務する場合、雇用保険料の対象となります。

6つ目は、皆勤手当・精勤手当です。勤怠に関する手当のことで、勤務を奨励し、出勤を促進するために支給されます。

対象とならない賃金

一方で、雇用保険料の対象とならない賃金もあります。たとえば、役員報酬・結婚祝金・災害見舞金・勤続褒賞金・年功慰労金・退職金・休業補償費・傷病手当金などです。出張した際に支払われる旅費や宿泊費も、対象となりません。

また、30日前の解雇予告なしに従業員を解雇した場合の「解雇予告手当」も、雇用保険料が支払われないので注意してください。事前に知っておくことで、安心して雇用保険料を受け取れるでしょう。

ひとつ注意しておきたいのが「通勤手当」です。所得税の計算では対象外ですが、雇用保険料の計算では対象となります。超過勤務手当や深夜手当などで総賃金額が変わった場合も、雇用保険料が変動するので気をつけましょう。

雇用保険の計算方法

雇用保険料は、雇用される人と雇用者の双方が負担する形で成り立っています。保険料は、毎月の給与やボーナスをもとに計算され、給与明細から天引きされます。では、実際の計算方法を見ていきましょう。

まず、雇用保険料は、賃金総額に保険料率を掛けて計算されます。保険料率は年度ごとに見直されるため、毎年異なる可能性があります。一般的には、以下のような流れで計算されます。

賃金総額の確認

賃金総額には、基本給だけでなく、残業代や手当、通勤手当なども含まれます。基本的に「支給されたすべての給与」が計算の対象です。

保険料率の適用

雇用保険の保険料率は、事業の種類によって異なります。たとえば、一般事業、農林水産・清酒製造業、建設業で保険料率が異なります

一般の事業は15.5/1,000です。(15.5/1,000です(2023年4月1日〜2024年3月31日))農林水産業・清酒製造業は17.5/1,000、建設の事業は18.5/1,000となっています。

保険料の計算

賃金総額にそれぞれの保険料率を掛け合わせて、労働者負担分と事業主負担分を計算します。労働者負担分は給与から控除され、事業主負担分は会社が負担する形で納付されます。

例として、月額賃金が30万円で保険料率が6/1,000の場合、労働者が負担する雇用保険料は以下のようになります

30万円×6÷1,000=1,800

この場合、毎月の給与から1,800円が控除されます。なお、ボーナスについても同様に、支給額に応じて雇用保険料が計算されます。

雇用保険料の計算から納付までの流れ

雇用保険料の計算対象となる賃金と注意点

雇用保険料は、労働者に支払われた賃金を基礎として計算されます。対象となる「賃金」には、基本給だけでなく時間外手当や通勤手当、各種手当が含まれるのが一般的です。

計算の際には、該当する賃金項目が雇用保険料の対象となるかどうかを正確に判断する必要があります。たとえば、通勤手当は条件によって雇用保険の対象となる場合があるため、制度上の扱いを事前に確認しておくことが重要です。

こうした対象賃金の判断を誤ると、計算基礎となる賃金総額が誤り、本来より少ない・多い保険料を算出してしまうリスクがあります。また、雇用保険料の算出に際しては、雇用保険料率を適用する賃金総額の集計が正確に行われているかも確認が必要です。

対象となる労働者の賃金だけでなく、パート・アルバイトなども含めて年度分を漏れなく集計することが重要になります。

計算方法と端数処理の注意点

雇用保険料の計算は、基本的に「賃金総額 × 雇用保険料率」で算出されます。料率は年度ごとに見直されることがあり、一般事業の場合は従業員負担・事業主負担の合計率が定められています

最新の料率は厚生労働省の告示等で確認する必要があり、端数処理も注意点のひとつで、雇用保険料は計算結果に小数点が生じることもあります。従来は「50銭以下は切り捨て、50銭超える場合は切り上げ」といった処理が一般的でしたが、制度によって端数処理の扱いが異なる場合もあるのです。

計算ロジックは法定基準に基づいて行う必要があり、端数処理の扱いを誤ると、従業員の給与控除額や企業負担分の保険料額に差異が発生する可能性がある点も注意が必要です。

計算後の申告と納付手続き

雇用保険料は、労働保険料(雇用保険と労災保険を合わせたもの)の一部として、企業が事業所単位で申告・納付する必要があります。労働保険の申告と納付は通常「年度更新」と呼ばれる手続きで行われ、毎年6月1日から7月10日の期間に前年度分の概算保険料を申告し、納付します。

納付方法は金融機関への持参、郵便局、口座振替、電子納付などさまざまな方法があり、希望する方法で納付できます。年度更新を忘れると、法定期限を過ぎた場合に延滞金が課されるため、スケジュール管理をしっかり行うことが大切です。

日雇労働者や対象者区分の注意点

雇用保険料の計算対象となるかどうかは、対象者の区分によっても異なります。一般被保険者として加入するのは、原則として1週間の所定労働時間が20時間以上で、かつ31日以上の雇用見込みがある労働者です。

ただし、この条件を満たすかどうかだけでなく、季節的な雇用形態や学生、特定の業種など、適用除外となるケースもあるため、加入要件を正確に確認することが重要です。日雇労働者については、一般被保険者として加入できないケースが多いですが、条件を満たすと一般被保険者として加入義務が発生する場合もあります。

また、一定条件下では「日雇労働被保険者」として加入し、一般保険料に加えて追加の保険料を支払う必要があるケースも発生します。こうした特殊ケースは計算や手続きが複雑になりやすいため、専門家への相談や公的ガイドラインを確認しましょう。

年度更新以外で気を付けたいポイント

年度更新以外にも、給与計算時点での注意点があります。たとえば、給与システムの設定で雇用保険料が正しく反映されない場合、労働保険事業所の設定内容を見直す必要があります。

雇用保険の計算区分や対象者設定、料率の反映漏れなどがあると、正確な保険料算出が行われないケースが起こり得ますので、設定内容のチェックを習慣化することが大切です。また、給与計算用ソフトやシステムを使用している場合、年度更新後に料率の変更をシステムに反映し忘れると古い料率で計算されるリスクがあります。

端数処理をする

雇用保険料を計算する際には、端数処理のルールを正しく理解しておくことが重要です。雇用保険料は「賃金総額×雇用保険料率」で算出されるため、計算結果に小数点以下の端数が生じるケースがほとんどです。

端数処理については、通貨単位に関する法律の考え方に基づき、50銭未満は切り捨て、50銭以上1円未満は切り上げとする方法が一般的とされています。この処理方法は、被保険者負担分・事業主負担分のいずれを算出する場合でも基本的な考え方は同じです。

ただし、企業独自のルールや労使間での取り決めがある場合には、必ずしもこの方法に限定されるわけではありません。たとえば「1円未満はすべて切り捨てる」といった運用を行っているケースもありますが、その場合は社内で統一した基準を設け、従業員に周知しておくことが大切です。

計算する際の注意点

雇用保険料を計算する際には、いくつかの注意点があります。

まず、計算のもととなる賃金総額にはさまざまな手当や残業代が含まれるため、その範囲をしっかり把握しておく必要があります。たとえば、通勤手当や住宅手当、特別手当なども賃金総額に含まれるため、見落としがちな項目についても正確に計上することが重要です。

また、雇用保険料率は毎年度変わる可能性があるため、最新の情報を確認することも忘れてはいけません。保険料率が変わると、毎月の保険料額が変動するため、年度ごとに最新の料率をチェックし、それにもとづいて計算を行う必要があります。

さらに、事業の種類によって保険料率が異なるため、自分が働いている業種の料率を確認することが大切です。同じ雇用条件でも、業種によって保険料額が異なる場合があるため、所属する事業の正確な保険料率を確認しておきましょう。

他にも、雇用保険に加入するための条件を満たしているかどうかを定期的に確認することが重要です。とくに、パートタイムやアルバイトなど、労働時間や契約期間が変動しやすい労働者の場合、条件を満たしているかどうかの確認を怠らないようにしましょう

また、65歳以上の従業員についても雇用保険の加入が必要です。勤務時間が変わったり、契約内容が変わる場合、雇用保険の加入条件も変わる可能性があるため、注意が必要です。

最後に、雇用保険に関連する法改正や制度の変更が行われることもあります。これにより、加入条件や保険料率、給付内容が変わることがあるため、定期的に法改正の情報をチェックして、最新の制度にもとづいた対応を心がけることが大切です。

とくに企業や事業主は、労働者に適切な手続きを行う責任があるため、常に最新情報にもとづいた対応を行うことが求められます。

まとめ

雇用保険は、働く人々にとって安心して働ける環境を提供するための重要な制度です。その対象者は広範囲にわたるため、パートやアルバイトであっても条件を満たせば加入する必要があります。

また、雇用保険料の計算方法は、賃金総額に保険料率を掛けるシンプルなものですが、業種や保険料率によって金額が変わるため、正確な計算が求められます。

さらに、計算時の注意点として、賃金総額の範囲や保険料率の変動、業種ごとの違いをしっかりと理解しておくことが大切です。常に最新の情報をチェックし、正確な手続きと計算を行うことで、雇用保険制度を最大限に活用し、安心して働く環境を整えていきましょう。

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